2023年5月

総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。

 

 

5月28日

日曜日ですが、金沢に行き、名古屋六大学の連携の調印式と、高校生や教員を対象とした合同進学相談会に出席してきました。名古屋六大学は中京大学の安村仁志前学長が発案してスタートした枠組みで、中京大学、名城大学、南山大学という本学の近隣にある私立大学と、名古屋工業大学、名古屋市立大学、そして名古屋大学という国公立の大学で構成されています。地理的にも、また歴史的にも関係の深い大学同士で、学生の募集を始め、さまざまな点でますます連携を深めていこう、という取り組みになります。

六大学すべての学長が集まって行った調印式に引き続いて、大学の説明会、また個別の進学相談会を実施、名古屋大学の説明会やブースには、とてもたくさんの生徒さん、また保護者の方に来ていただいて、とても充実した会になりました。また、会の途中には、馳浩石川県知事も参加され、懇談をすることができたのも大変良い機会となりました。馳知事は、さすが元レスラー、とても体格がよく、また声が大きい方でした。

  

 

5月26日

本日は、日本マイクロソフト(株)文教営業統括本部DX戦略室阪口福太郎室長による「Generative AI(ChatGPT等)とは!」と題した東海機構DUセミナーをオンライン視聴しました。最近は、ネガティブな側面ばかりが強調されているGenerative(生成系)AIですが、プログラミングはもとより、事務書類作成など様々な面で業務の格段の効率化が望めます。リアルタイムで視聴された方も多かったかと思いますが、オンデマンドで後からでも視聴可能とのことですので、本学の教職員には是非ご覧になっていただきたいと思います。ChatGPTが他のAIに比べても特別であることが理解でき、また、どのように活用できるかのヒントがもらえると思います。

話の中で印象に残ったのは、野良AIです。AIはどれだけ学習するか、データをいかにたくさん収集するかが肝要となります。現在、無料のChatGPTもどきがたくさんネット上にあるそうなのですが、これら、野良AIをうっかりインストールすると、自分のデータをどんどんと提供してしまうことになるので、要注意とのことでした。

AIのネガティブな側面について、ちょうど今朝の中日新聞に、中国でAIを使ったオレオレ詐欺が横行しているとの記事が掲載されていました。被害者の友人と全く区別できない声、そして顔(どちらもAIによって作り上げられたもの!)でビデオ会話がかかってきて騙されたとのこと、日本でも早急な対策が必要となります。

 

5月25日

本日は、吹上ホールで行われた「ウェルフェア2023〜福祉・医療・健康の総合展〜」の開会式に朝から出席してきました。名古屋市が主体となって行っているイベントで、主催者側の代表として河村市長が、また来賓の代表として、田中耕太郎経済産業省中部経済産業局長が、ご挨拶されていました。河村市長はいつもの調子で、「箱物は助成金が出るがソフトには出ない、変えなければいけない」と話していました。このフェアは、人生100年時代、いつまでも自分らしい暮らしを住み慣れた街で、ということで、介護や福祉などに関連する様々な企業が出展する大きなイベントです。私の役割はテープカットということでしたが、左利きで引っ掛けるように鋏を使う癖のせいで、今日は右手でテープを切ろうとしたら、うまく切れずに焦りました。元々鋏は右利き用にできているはずなのに...

 

5月20日

本日は土曜日ですが、梅村学園創立100周年、中京大学開学70周年の記念式典に行ってきました。笠寺にある日本ガイシホールで盛大に執り行われた式典には、壇上列席者として室伏広治スポーツ庁長官(OB)や、橋本聖子参議院議員、大村愛知県知事、河村名古屋市長などのお歴々が集い、岸田首相からもビデオメッセージが寄せられていました。付属高校の生徒や大学の学生なども出席、1万人収容できるアリーナがほぼ満員に見えました。

列席者の中でも、室伏さんは体格の良さなどから一際目立っていて、室伏さんが手を振るたびに、高校生を中心に会場が沸いていました。校訓を表す「真剣味」は、水戸の藩校の精神を受け継ぎ、知・体・徳のバランスの取れた人間形成を目指すものとのこと、合わせて建学の精神は、「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」であり、室伏さんをはじめスポーツ界に数多の人材を送り出しているのはご存知の通りです。梅村学園からは、オリンピック出場者だけでも100人以上というのですから、すごいものです。

 

 

5月19日

本日は、タイ王国最高裁判所長官率いる訪問団が本学を訪問いたしました。これまで、名古屋大学大学院法学研究科では、タイ王国の判事を大学院生として受け入れ博士号を取得させるというプログラムを進めてきています。これに関連して、2020年には法学研究科とタイ王国最高裁判所事務総局との間に交流にかかる覚書、いわゆるMOU(Memorandum of Understanding)が締結されています。今回の長官らの訪問は、このプログラムに対する感謝と、さらに今後の発展に向けて、新たなMOUを結び直すため、ということでした。これまで、MOU締結以前に1名、MOUが結ばれてからは1名が博士号を取得、今現在も1名が法学研究科で学んでいます。規模こそ小さいけれど、重要な国際貢献であり、本学としても優秀な学生を獲得できる有力なチャンネルとなっているという感触を得ました。

以前、総長自由闊達通信にも書かせていただきましたが、法学研究科そして関連する法政国際教育協力研究センター(CALE)および日本法教育研究センター(CJL)は、アジア諸国での法整備支援、そして法教育において多大な成果をこれまであげてきています。このタイ王国における活動は、それらの成果に、さらなる実績を付け加えていくものと思っています。素晴らしい活動、そして成果ですが、法学研究科、そして大学としても、これらの活動についてもっと宣伝し、世間の認知を上げていくことが必要だと感じました。それによって、正当な評価と支援をいただけるように努力していきたいと思います。

なお、訪問団の来訪には、在名古屋タイ王国名誉総領事の三輪芳弘さんにもご参加いただきました。三輪さんの本業は名古屋に本社のある興和株式会社代表取締役社長です。在名古屋タイ王国名誉領事館は1956年以降、興和の本店ビル内にあるそうです。

 

 

5月18日

今日も名古屋は暑い日が続いています。昨日は東海国立大学機構の常勤理事懇談会ということで、岐阜大学に出張してきました。今週は、月曜に続いて二日目となります。折悪しく、同じ岐阜県の揖斐川町では35度越えと、5月なのに猛暑日、気候変動を身をもって感じる今日この頃です。 

今年は桜も、3月末の卒業式の頃に満開、私が子供の頃は東京では4月10日前後だったような記憶があるので、2週間くらい早くなっている感じを受けています。 

そこでせっかくですので、気象庁のデータを調べてみました。1961年から、10年ごとの名古屋での桜の満開日の平均値になります。61-70年が4月7日、71-80年4月6日、81-90年4月5日、91-2000年4月3日、01-10年4月2日、11-20年4月1日。さらに直近2021-23年のデーターはなんと3月28日、ついに平均が3月に突入です。さすがに私の感覚の2週間ということはなく、50年で1週間ですが、見事にそして着実に早くなっていっています。よく報道等では、「例年は満開日は4月2日」というような言われ方をしますが、このようにどんどんと早くなっている状況で、平均値をとっても意味はないですね。1953年以降のデータになりますが、3月に満開になる年がちらほらで始めたのは80年代になってからです(1959年だけは例外的に3月30日が満開になっていますが)。来年の花見の予定は、是非、3月の後半に入れていただくと良いのではないでしょうか。 

 

 

5月15日

本日は、岐阜大学に出張、東海国立大学機構・糖鎖生命コア研究所の岐阜研究棟開所記念式典に出席してきました。当該研究所は、自然科学研究機構、創価大学と連携、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業に生命科学系として初めて採択され、今年4月から正式に事業がスタートしました。その事業のフラッグシップとなる7階建ての研究棟が、今回落成したというわけです。さらに、こちらと対になる建物が名古屋大学東山キャンパスに建設予定です。東海国立大学機構、岐阜大学・名古屋大学において世界を先導する糖鎖科学研究が両方の建物から生み出されていくこととなります。乞うご期待です。 

式典には、文科省から、森晃憲研究振興局長、岐阜県から河合孝憲副知事、さらにはフランス国立科学研究センター東京事務所からJacques Maleval所長が来賓としてお越しくださり、さらにマスコミも多数参加、晴天の中、賑やかに挙行することができました。私のお仕事は、ご挨拶とテープカットへの参加でした。

 

 

 

 

5月12日

最近、サイバーセキュリティについていろいろ議論する機会がありました。そこで分かったことは、パスワードを今一度見直す、という教訓です。まず、文字数は最低10文字は必須、また、アルファベットの小文字・大文字・記号・数字の4つを混ぜる、ということも重要です。何しろ、破る側は片っ端から確かめていくのだそうで、8文字ぐらいだと瞬時に解かれてしまう、とのこと。悪いことに、パスワードを破る方のスピードは、コンピュータ性能の向上でどんどんと、加速していっています。特に、GPUと呼ばれる本来はグラフィックを描くために作られたボード(チップセット)を使うことで高速化しているのは、AIの深層学習と同様です。 

アメリカのサイバーセキュリティの会社であるHive Systemsの2023年のレポートによると、8文字の小文字だけだと瞬時に破られ、大文字・記号・数字を混ぜても5分で破ることが可能だそうです。10文字で4つを混ぜた場合には、2週間だそうですから、それでもだいぶ心配ですね。12文字にすると226年に伸びますので、このぐらいの文字数は今や必要なのかもしれません。これらかかる時間の数字は、当然破る側のGPUの性能に依存し、ここで挙げた数字は、最新・最高性能のGPUを12個繋いだものを想定しています。なんでもクラウド上のご存知ChatGPTを使うと、さらに高速化でき、8文字の5分が1秒に、10文字の2週間が1時間に短縮されるとのこと、恐ろしい限りです。 

なお、最近はオンラインバンクや東海国立大学機構のMS365など多くの場面で使われるようになってきた多要素認証では、パスワードを破られても、本人の承認がなければログインできませんので、セキュリティ対策としては非常に有用なものです。私も早速、Amazonなどのアカウントへのサインインを多要素認証に変えました。

 

 

5月8日

連休が終わって、平常運転の日々が戻ってきました。すっかり休み癖がついた体には、今週の5日連続勤務はきついかもしれません。幸い今日は、少し余裕のあるスケジュールなので、慣らしながら仕事をしていきます。

さて、連休中は、少し運動(ランニング)をしたぐらいで基本のんびり過ごしましたが、6日土曜日には、全学同窓会岐阜支部の総会・交流会、そして講演会に出席してきました。国内4番目、海外を入れると19番目に発足した岐阜支部ですが、今回の総会には50名ほどの熱心な同窓生が出席いただき、活発な交流の場を持つことができました。私からは、総会で名古屋大学の近況を報告いたしました。昼食を挟んでの講演会は、天野先生による「SDGsに貢献する新しい半導体」と題する講演会でした。引き続いて行われた、天野先生と高校生・高専生6名とのパネルトークはなかなか楽しいものでした。天野先生が高校時代のことを集中的に聞かれて、困っていたのが印象的でした。

 

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